テーブルスキャンによるロック待ちを発生させてみた

概要

テーブルスキャンによるロック待ちってどんなんかいな?SSMS 上で検証してみました。

簡単な説明

「テーブルスキャンによるロック待ち」とは、2つのトランザクションが発行された際に、1つ目のトランザクションと2つ目のトランザクションが操作するレコードが全く違うものでも、テーブルスキャンの場合には2つ目のトランザクションが1つ目のトランザクションによってロックされるという現象です。

詳しくはSQL Server 2005 Tips and Tipsを参照。

準備

テスト DB・テーブルの準備

CREATE DATABASE TABLE_LOCK_SCAN_TEST
DBCC USEROPTIONS

image

USE TABLE_LOCK_SCAN_TEST;
CREATE TABLE TABLE_A(
  DATA1 INT,
  DATA2 INT);

CREATE TABLE TABLE_B(
  DATA1 INT,
  DATA2 INT);

テストデータの作成

INSERT INTO TABLE_A (DATA1, DATA2) VALUES (0,0);
INSERT INTO TABLE_A (DATA1, DATA2) VALUES (1,1);
INSERT INTO TABLE_A (DATA1, DATA2) VALUES (2,2);
INSERT INTO TABLE_B
  SELECT * FROM TABLE_A;

ロック待ちを発生させてみる

ロックするほうのトランザクションを実行する

BEGIN TRANSACTION
  SELECT * FROM TABLE_A WITH(XLOCK, ROWLOCK, HOLDLOCK) WHERE DATA1=0;

image

実行計画をみると、テーブルスキャンになっています。

image

こちらのトランザクションはこのまま放置します。

ロック待ちになるトランザクションを実行する

別のタブでもう一個トランザクションを切ってほぼ同じクエリを流してみます。

BEGIN TRANSACTION
  SELECT * FROM TABLE_A WHERE DATA1=2;

image 

はい、このまま固まりました。これがテーブルスキャンによるロック待ちです。


SQLServer2008にて確認しました。

2 Replies to “テーブルスキャンによるロック待ちを発生させてみた”

  1. 違います。
    これはテーブルスキャンによるロック待ちではなく
    テーブルスキャンによる排他ロックです。

    1. ご意見ありがとうございます。仰っている「テーブルスキャンによる排他ロック」というのがどのような現象かはわかりかねますが、ここで説明しているものは「テーブルスキャンによるロック待ち」で合っています。

      1つ目と2つ目のクエリは両方ともテーブルスキャンです。2つ目については明示的に書いていないので、この点についてはこの記事の落ち度ですね。
      で、1つ目のクエリはROWLOCKなのでDATA1=0のレコード、つまり、1行目を排他ロックしています。
      2つ目のクエリはDATA1=2のレコード、つまり、3行目をselectしようとしています。
      1つ目のクエリがロックしているのは1行目なので、3行目をselectする2つ目のクエリには影響がないと思いきや、実際は2つ目のクエリはテーブルスキャンを行うために1行目を読まなくてはならず、それが1つ目のクエリによって排他ロックされているのでロック待ちせざるを得ない状況になっています。

      2つ目のクエリの立場から見ると、テーブルスキャンしているときにロック待ちさせられているので、これは「テーブルスキャンによるロック待ち」です。

コメントを残す